鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
少々強引かもしれない。
彼女にもう相手がいるかもしれない。
嫌われるかもしれない。
そんな事を考えた時もあったけど、それ以上に早く彼女を側に置きたいと言う気持ちが強過ぎてあんな行動に出てしまった。
無理矢理席を移動させて、秘書という名目で連れ回し、彼女の好みを吸収した。
こんな暴挙に出ておいて笑うかもしれないが、
彼女と食事をしている時や買い物をしている時、顔が緩みそうになるのを必死で堪えた。
やっと側に置けたんだ。
一日中一緒にいて俺のことだけ考えていればいい。
こんなに分かり易い俺の態度を、全く気付くそぶりを見せない彼女に、俺のものになったら言ってやろう。
いい加減俺の視線に気付けと。
鈍感過ぎる彼女の恋の相手は、
俺が最後でいい。