鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》

----------


「っぷはぁぁぁ〜〜ッッ！！」

「声でか。おっさんかお前は。」

「固いこと言わないでよ。10日ぶりの生ビールだよ！？」


駅前の居酒屋、ここ最近ご無沙汰だった生ビールと枝豆にありつけて涙が出るほど美味しく感じる。

今日は蓮水社長は親会社の集まりがあるので午後から不在。定時になったら業務終了していいと言われていたので、高本を誘って久々に飲みに来たのだ。


「そんな大変なん？仕事。まぁ俺の誘いを断りまくるあたり忙しいんだろうけどさ。」

「ごめんて。私も行きたかったけど何せあの悪魔が開放してくれなくてね…」


日中はずっと一緒だし、朝昼晩の食事も何故か一緒に採る事が普通になっている。

そりゃ色んなレストランで食事させてもらえるのは有り難いけど、私はやっぱこの居酒屋のビールと枝豆と土手焼きが一番好きなのだ。

まぁお財布にも優しいからってのは大きいけど。