遠くへ行こうか。
第1章:君となら
ある朝、目が覚めた。

初恋の人との別れの夢を見て。

「ふぁぁ...」

私は坂木 愛(16) 。

私は幼い頃の初恋相手を探している。

なぜ探しているのかというと、
その相手は出会ってから1年程してから私の前から姿を消した。

色々、聞きたい事もあるし
後悔もある...
だから探している。

まだ頭が眠っているままだが、なんとか体を起こし、ベッドから離れる。

「まな〜、ご飯よ〜。起きなさ〜い」

はいはい。起きてますよお母さん。

「今行く〜」

スクールバッグに学校の教科書などを入れて、制服を着て、赤いリボンを結び、髪を結う。

「よし!」

スクールバッグを片手に滑らかな階段を下る。

「あら、今日は早いのね。今日はフレンチトーストよ」

「うん。ん〜...半分でいいや。」

お母さんが半分に切ってくれたフレンチトーストを食べながら急いで家を出る。

「行ってきま〜す!」

大声で家を出て、残りのフレンチトーストを食べる。

今日はあの日だ。

私は1週間に1度、初恋の相手との別れの日に歌った歌を歌っている。

男子達にはバカにされたりもするが、そんな事はどうでもいい。

あの子に1度でもいい。
...1度だけでも会えるのであれば、バカにされる事なんてどうでもいい。

「...もう会えないのかな。」

そんな事を頭に浮かべながら歩く。

「〜♪」

気持ちいい。
今日はなんだか会える気がする。

「まぁ、会えないんだろうけど...」

-学校-

「え〜...今日は新しいクラスメイトを紹介しようと思う。どうぞ」

「...南 暁人...です。よろしく」

「「「かっこいい...」」」

え...あき...と?...

幼い頃のあの子、その子の名前は...確か...
"あきと"だった。

...そんな...

嘘、だよね。
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