溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


それ以来、あまり目を合わせてくれなかったり、話しかけても上の空だったり……心ここにあらずという様子で、私も次第に不安になってきた。

こんな雰囲気で、楽しいクリスマスが過ごせるのかな……? まさかこの同居生活自体が、もう終わりに近づいていたりしないよね……?

そんな胸騒ぎを煽るように、蓮人は同時期から私と並んでベッドで眠ることを止めてしまった。本人は何も言わないけれど、朝起きるとリビングのソファに毛布が置きっぱなしになっているので、そこで寝ているみたいだ。

あんなに固い固いと言っていたソファで寝るなんて、よっぽど私のことが嫌なのかな……。

そう思っても直接聞いてみる勇気はなく、ひとり冷たいベッドで眠る日が続いた。





恋人どころかペット以下になってしまったような一週間は過ぎ、不安が払拭されぬまま迎えた、クリスマスイブ当日――。

不安続きのせいか寝つきが悪くて遅くまで起きていたため、昼前にのっそり目を覚ました私。

ぼーっとする思考のままリビングに入ると、なにやらいい香りが鼻腔をくすぐった。

なんだろう。野菜を煮込んだような、優しい香り……。匂いにつられるようにしてキッチンを覗くと、そこには意外な光景が。


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