溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「やっと起きたか。待ってろ、今メシが出来上がるところだ」
「れ、蓮人……? なにしてるの?」
目の前の彼は、Tシャツにチノパンという休日スタイルにプラスして、なぜか腰にエプロンを巻いている。さらに、手にはフライパン。
蓮人が料理してるところなんて初めて見るけど、エプロンも似合うし手際もよさそうだし……その姿はさながらREN’Sキッチンって感じ。
貴重なワンシーンにキュンとしながら目を奪われていると、蓮人はフライパンの中からふんわりとしたオムレツをお皿に盛り、私に差し出す。その顔はちょっと得意げで。
「俺のこと、料理もできないボンボンだと思ってただろ」
「え? いや、そこまで思ってないけど……びっくりはした、かな」
「昔はもっとちゃんと自炊してたんだ。アメリカでルームシェアしてた頃は特にな。あんときは家事が分担制だったから、必要に迫られてだけど」
「ふうん……ルームシェアなんてしてたんだ」
出来上がった料理を一緒に配膳しながら、珍しく饒舌な蓮人の話に興味津々で相槌をうつ。
御曹司ともなると、海外でもいいマンションを借りるのかと思ったけど、ルームシェアをしていたなんて意外。