溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


食事の後少しゆっくりしてから出かける準備を始め、午後五時ごろにマンションを出ることになった。


「準備できたか?」

「え、ええとちょっと待って! 体が固くてなかなかファスナーが……っ」


寝室にこもった私は、慣れないドレスへの着替えに四苦八苦していた。

私は前に二人で出かけたときに着たワンピースだったらデートっぽいしいいかな、と思っていたのだけど、蓮人に今日はドレスを着るようにと命じられてしまったのだ。

さすがに明神さんが持ってきてくれた服の中にドレスはなかったけど、なんと蓮人が今日のために、ドレスも靴もアクセサリーも、私にぴったりなサイズのものを取り寄せてくれていた。

蓮人は『ま、ひとつ目のプレゼントってとこだな』なんて軽く笑っていたけど、どれもこれも高級そうだし、そもそも“ひとつ”じゃないよ……?と内心突っ込みつつも、素直にありがとうと受け取った。

ドレスのデザインは、胸元がカシュクールになっている淡いブルーのAラインドレス。

とてもキレイで可愛くて私も一目で気に入ったのだけれど……やっぱり背中のファスナーだけがどうしても届かない。


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