溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「どうだ、似合うか?」
「うん!」
お世辞じゃなく、心からそう思ったので深く頷く。
「じゃあ、重要な会議とか、今日は気合入れてかねぇとって日には、これを着けてくことにするか」
「えっ」
「身に着けてれば、そばにいなくても、お前からパワーもらえる気がするし」
蓮人の言葉で、胸にじわっと嬉しさが広がった。
なんだかそうやって見えないところにもつながりを持つのって、それこそ本当の恋人同士みたい。……って、今日の蓮人はそれを装っているのだから、喜んじゃダメなんだってば。
「……さて」
私の葛藤など知る由もない蓮人は短くそう言って、テーブルの上に手を伸ばす。そしてコーヒーではなく、グラスに残っていた赤ワインを一気に飲み干した。
椅子から立ち上がり、私のそばに立って手のひらを差し出す。
「ベッドまで、お連れします、姫」
き、きた……っ! 美味しい食事で忘れかけていたドキドキが、一瞬にして舞い戻る。
蓮人の顔はまだ紳士だけれど、やっぱりそういう意味、だよね……?