溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「俺に会えるから、うれし泣き……なわけ、ないよな」
自嘲する理一は、なんとなく私の気持ちを察しているみたいだ。せっかく来てくれたのに、彼の想いに応えられないことが心苦しい。
「ごめんね……」
私はようやく体を起こして言うと、掛け布団をぎゅっと握りしめる。
「謝るのは俺の方でしょ。まれはずっと俺に尽くしてくれてたのに、それを当然のように思って、全然大切にしてやってなかった。……今さらだけど、後悔してるんだ」
肩を落とし、懺悔するように話す理一。
「……怒らないの?」
前に電話で話した時は、私がペットだなんてわけのわからない立場で御曹司に飼われていることに衝撃を受けていたし、苛立ってもいた。でも、今日の理一は違うみたい。
「怒ったら……まれの気持ち、俺んところに戻ってくるの?」
無理して作ったような、歪んだ笑みで問われて、胸にズキッと痛みが走る。
……答えにくくても、答えなくちゃいけない。理一だって、聞きたくて聞いているわけじゃないんだ。お互い前に進むために、いい加減ハッキリさせなくちゃ。
頭ではそう思うのに、なかなか言葉が出てこない。そんな私の頭を、ふいに理一がポンポンと撫でた。