溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~


「ごめん。……意地悪な質問だった。本当はさ、電話で話した時からわかってたんだ。まれが一緒に暮らしてるヤツに惹かれてるってのは」

「……え?」


予想外の言葉に、私は首を傾げる。だって私、その時はまだ蓮人を好きだなんて自覚はなかったし、むしろ強引さや意地悪さに翻弄されていたような気がするんだけど……。


「まれが俺以外の男と一緒に暮らすと決めたなんて、なかなか信じられなかった。ずっと俺だけ見てたはずなのに、なんでって……。でも、恋に落ちたと思えば、悔しいけど納得できるんだ。……というか、そうじゃなきゃ認めない」


真剣な顔になった理一が、私をまっすぐに見つめる。そして、確信を持った様子で私に尋ねた。


「好きなんだろ? アイツのことが」


本心を言い当てられ、胸が詰まったように苦しくなる。さっき、蓮人自身にはサヨナラを言い渡されてしまったけれど、気持ちの整理なんて全然つかない。できることなら、もう一度蓮人に会いたい……。


「……うん。好き」


くぐもった声で白状すると、おさまっていた涙がじわっと浮かんできた。

そうだよ……私は、蓮人が好き。大好きなの。

ずっと一緒にいたのに、それを伝えることができなかった。


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