溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「よろしゅーな、マイケル。スピード違反ギリのマッハでな」
「よろしくねー」
明神さんとナナセさんが親しげにそんな言葉を掛けると、マイケルさんは親指を立ててお茶目にウィンクをした。彼らはみんな、やっぱり知り合いというか友人のようである。
ひとり蚊帳の外で少し気まずい私だけど、車に乗り込んで出発してすぐに、彼らの関係は明かされた。
「俺と蓮人とナナセとマイケル。この四人で、昔ルームシェアしててん」
後部座席で隣り合って座る、明神さんが教えてくれる。そういえば、蓮人も前にルームシェアの話をしていたっけ。
明神さん以外のメンバーは今初めて知ったけど、なかなかキョーレツな……いや、個性的なメンバーがそろったなーなんて、口に出さずに思う。
すると助手席にいるナナセさんが、こちらを振り返りながら話す。
「私はモデル。タモさんはファッションデザイナー。マイケルはお笑い芸人。そして蓮人は小説家になるんだって、みんなそれぞれ違うにしても、夢を持つ者同士仲良くなってさ」
蓮人が、小説家を……? そんな話、初耳だ。あ。でも、あの書斎は確かにそういう雰囲気があるかもしれない。あの部屋でパソコンに向かっている時、もしかして何か執筆していたのだろうか。