溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
両腕にレジ袋をぶらさげ、手にコーヒーを持って外に出ると、さっきまでは無人だった喫煙所に、ガラの悪いちんぴら風の男性集団がたむろしていた。
う。あまり関わらない方がよさそうな人たち……。
人を見た目で判断しちゃいけないとはわかっていてもなんだか怖くて、目が合った瞬間反射的にパッと目を逸らした。
でも、それが逆に不自然だったのか、ちんぴら集団の内のひとりが歩み寄ってきた。
視界の端に映るその人は、上下黒のジャージ姿。理一とは違うタイプのオレンジがかった金髪で、目には大きなサングラスをかけている。
「あれ。おねーさん、夜の仕事の人?」
は、話しかけられてしまった……。そっか、コートの中にドレス着てるし、いかにもホステスっぽいアップの髪型にしてるから、水商売の匂いがしたのかな。
「いえ、あの……さっき、辞めてきたんですけど」
「えっ。どーして! 可愛いからお店教えてもらったら指名しようとしたのに~」
うう、話す息がタバコくさい。とはいえあからさまに迷惑そうな顔をするのも怖いので、やんわりと笑顔を返して話を終わらせようとしてみる。
「あ、ありがとうございます……でも、もうそういう仕事はしないので」
「ちなみにどういう系のお店だったの? ……お触りアリ?」