溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「この抱き心地、最高だ」
翌朝、自然と目を覚ました時、一瞬ここがどこだかわからなかった。
見慣れない天井を眺めながらぼんやり昨夜のことを思い返し、少しずつ状況を把握する。
そういえば、私、昨日から御曹司……甲斐蓮人のペットになったんだっけ。
ここはそう、甲斐のマンションで、疲れてた私は先に寝ちゃって……。
あれ? じゃあ甲斐本人はいまどこに?
くる、と首を動かすと、甲斐の端正な寝顔のアップが飛び込んできて、私はガバッと布団を剥いで飛び起きた。
「ほ、ほ、ほんとに隣で寝てたんだ……」
思わず、大きめの声で独り言が出てしまう。けれど熟睡しているらしい甲斐はすやすやと寝息を立てていてホッとした。
私はめくれてしまった布団を元に戻そうとして、再びドキッとする。
よく見ると甲斐は上半身に何も身に着けておらず、ほどよい筋肉のついたしなやかな身体が捲れた布団からむき出しになっていた。
まさか、と嫌な予感を抱いてそっと下半身を覆う布団もめくってみると、スウェットらしきズボンを身に着けていたので胸をなでおろした。
よ、よかった……寝るとき全裸になっちゃうタイプの人ではないみたい。
「それにしても朝から心臓に悪い……」
私は弱々しく呟き、甲斐を起こさないようにベッドから抜け出した。