溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「こ、こんな大人っぽいの似合うかな……」
「大丈夫だろ。お前、顔は幼いわりにスタイル良いから」
「それ、褒めてるの……?」
「ああ。少なくとも俺の好みではある」
そ、そーですか……。でもどうせお得意の、“ペット”としてでしょ。トイプードルより柴犬が好み、的な感じでさ。
「まあ着替えは後にして、メシにしよう。アイツ、パン屋に寄って何か買ってきてくれたらしいから」
「パン! やったぁ!」
お米も好きだけど、パンも好き!
急に目を輝かせた私に、甲斐が苦笑いする。
「現金なやつ……エサだとわかったら尻尾振りやがって」
そんな嫌味は右から左へ聞き流し、私はテーブルに置かれたパン屋さんの袋を覗く。
「いいにおい……どれも美味しそうだな。あ、そうだ、コーヒー淹れるね」
パッと立ち上がってキッチンへ行こうとする私の背中に、甲斐の声が飛んでくる。
「お前は何もしなくていいって言っただろ。コーヒーなら俺が淹れるから座ってろ」
うーん……。ありがたいんだけど、そこまで至れり尽くせりじゃ逆に居心地が悪い。
甘えていいとは言われてるけど、コーヒー淹れるくらい、やらせてほしいな。……あ、そうだ。