溺愛ペット契約~御曹司の甘いしつけ~
「お前は家族でもないひとりの男をずっと支えてたんだろ? たとえ恋人でも、なかなかできることじゃない。お前の尽くし過ぎる部分は短所でもあるが、長所でもあるんだ。きっと今頃、ヒモ男もお前のありがたみに気付いてる頃だろうよ」
思ってもみなかった優しい言葉を掛けられ、不覚にも胸がじーんとなる。
今までは私のこと散々バカにしてたのに……急に調子狂うじゃない。たとえ理一がありがたみを感じていなくても、甲斐がそう言ってくれるだけで少しは浮かばれる。
「……ありがと」
「別に、礼を言われるほどのことじゃねぇよ」
私のお礼を照れくさそうに受け流す甲斐を見て思う。
最初は横暴で傲慢そうな御曹司というイメージだったけれど、一緒にいるうちにだんだんとその印象が変わってきた。
多少強引で意地悪な部分もあるけど、根っこの部分は優しくて、面倒見もいい。
そしてこのパーフェクトな外見なのだから、彼女の一人や二人いそうなものだけど……。
そこまで考えた私はつい、甲斐と彼に似合いそうなオトナ女子とのラブシーンを妄想してしまった。
お相手の女性はそうだな……ハーフモデルのような垢抜けた美人がいいかな。
お似合いのふたりは濃厚なキスを繰り返しながら、どちらからともなくベッドに倒れて………その光景はきっと、外国の映画みたいにロマンチックなんだろうなぁ。