白い悪魔(仮)



少し沈黙が続くと、土方さんが審判を務めるために真ん中に立った






「それじゃ、蒼鷹の入隊試験を行う」






沖田さんは、竹刀を構えた




だけど 僕は 無構え






「始めっ!!」







開始の合図が出た途端、沖田さんから黒い殺気が ビリっと伝わる




でも、それぐらいじゃないと面白くない






「そっちが来ないなら、僕が行きます」





沖田さんが 動いた




振り下ろしてきた竹刀は とても重かった
だけど、僕は 驚かない 割と想定内





彼の攻撃を受け流したり、交わしたりしながら 沖田総司という強さ、技術を測っていた






「本気 出してくださいよ」





僕が、本気でないことがバレているが...





それは、沖田さんも同じ。





1度くらいは、本気を見せようと
間合いを取り 攻撃を仕掛けた





思ったより 力が強かったらしく
沖田さんの顔が少し歪む




でも、僕は今 全力ではない
全力を出せば 彼の命はないので
それは 避けたい。








僕は、彼の必殺技を待っているのだ






沖田さんが 間合いを取ると
更なる 殺気から どんな攻撃を仕掛けるか
予想ができた






彼の必殺技...三段突き






予想できた、僕は受け流し
彼の隙を軽く叩いた。






余裕はあったけど、そうじゃないように
演技したけど 誤魔化せただろうか...




あまり余裕すぎても、ヤバい。。。






周りは 僕が勝ったことに驚いているのか
道場の空間は 今、静かだ






「ありがとうございました」





お礼を言うと、皆は ハッとした





「まさか、総司くんが負けるなんて」





「お前、何者だ。」




彼に勝ったことに、怪しむ土方さん
まぁ それが正しいか






「僕は、ちょっと腕が立つ浪士ですよ」






沖田さんと僕の入隊試験が終わった。



< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop