恋ノ音
その時、拓くんの声が聞こえた。

「た、くくん」

「俺が確認してくるから、座ってろ」

有無を言わせない言葉に私はこくりと頷いた。

それからしばらくして、しゃがんでうつむいていた私の背中にてが乗せられた。

「拓くん…」

「遺体を確認してきた。」

「…」

「おばさんたちで間違いないと思う…」

「っ」

嘘だったらいいと思っていたことが、拓くんの言葉で現実だと思い知らされた。
< 107 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop