恋ノ音

「まあ、大きなことにならなくて良かったな」

部屋に戻る亮太くんの後ろ姿を見て拓くんがそう言った。

「そうですね」

ほんとに、何もなくてよかった…

「そういえば、このあとは少し教師も自由時間らしいぞ」

拓くんがそう言った

「そうなんですか」

自由時間、どうしようかな...

そう考えていると、

「愛香、俺に福島案内してくれないか？」

「え？」

拓くんにそう言われ、驚いた

「福島ほとんど来たことないし、地元の人に案内してもらおうかなと思って」

そう言う拓くんはほんとに福島を覚えてないのだと私に突きつけてくるようで少し辛かった

でも、拓くんに誘われて嬉しい、

その気持ちが勝ち

「いいですよ！」

そう答えていた