恋ノ音
「高橋先生、」

そう私を呼ぶ大好きな人の声が聞こえた。

「た、黒澤先生、どうかしたんですか?」

私は動揺を悟られないよう、そう答えた。

「2-1に俺の妹がいるって知ってますか?」

「はい、高尾先生から聞きました。」

「そうか…妹の事、お願いします。」

そう言って拓くんは、頭を下げた。

「そんな…頭を上げてください。大丈夫です。芽依ちゃんのことは任せてください。」

そう言うと、失礼します、と言って会議室を出た。
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