【短】キミともう一度
約束




3月第2週目の水曜日。



今日は私たち4年次生の卒業式だ。



あっという間だった。


この4年間は。




入学ホヤホヤなあの頃の私はこんなに大学生活が大変だとは思わなかっただろう。



授業は出欠することだけを考えて、卒業論文もこんな感じにするという目安を立てて、それなりの大学生活を楽しんでいこうと意気込んでいた。



友達づくりも苦労しないで済んだ。




もしかしたら……彼氏という存在にも出逢うのかなとか、のんきに考えてた。





まあ、現実は甘くないよね。




大の男嫌いな私がそもそも恋するなんてありえないことだし、付き合うことも考えない。






そんな私が、まだ、あの日キミと約束したことを覚えている、なんて……。






これこそありえない。




バカみたい。




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