【短】キミともう一度
「……今更だけど、『おはよう』」
「お、おはよう……?」
「ふ、やっと言えた」
その笑顔反則ですよー……。
遠くから見ててもズッキュンしてたのに、この距離からこの笑顔向けられたら私溶けます。
「え、なにしてんの?!」
「……グッジョブでした……」
「や、意味わかんないけど!?」
そう言いながら腹を抱えて笑うキミ。
私はパニクってるというのに!
そもそも、なぜ私は親指を立てた!?
心の中でやってたつもりなのに……。
後で親指に罰を与えよ。
今は脳内で親指を懲らしめてやる。
はあ、完全におかしくなったよ私。
もともとかもしれないけどねー。
マーちゃんもフーちゃんにも『突然訳わからないことするのやめたら?』なんて言われるし。
……男嫌いな私が、羽瀬くんにだけドキドキするなんてキミってほんと何者なんですか。
この4年間キミを見るだけで気分は上がったり下がったりだったんだから。
これ以上私の心を振り回さないで欲しい。
でもね、こんな感情は生まれて初めてなんだよ。
たとえ、この恋が実らなくても、私は大切にしていたい。
キミを忘れることはもう少し時間がかかるけど。
こうやってまた話せたから、私はこれで充分幸せ。
……なのに、なんでこんなに喉が熱くなるんだろう。
──キミが、好きなの。