【短】キミともう一度
「俺、この4年間ずっと和田さんを想ってた」
うそ。
「嘘じゃない。あのオリエンテーションから。俺、和田さんに一目惚れしたんだ」
「へ、へぇ……」
直球すぎてそれ以上の言葉が出ないんだけど。
ごめんねっ羽瀬くん!!
すごくビックリしてるだけだからね!
って、本人そこまで気にしてなさそう?
「羽瀬くんって優しいよね」
「え?」
「はじめて話した時だって私のバカな回答に優しくフォローしてくれた」
質問枠と回答枠があったのに、私ってば回答枠に書くものを質問枠に書いて、それを羽瀬くんに回答してもらうっていう自己紹介のミニゲームだったんだけど……。
「ああ、あれね!笑ったよなー。だって答えすべてみえてるっていうか、質問枠に答え書かれちゃゲームになんないよ、あれは」
笑い転げそうな勢いの羽瀬くんに私は頬を膨らませた。
我ながらキモいと思った。
こんな頬を膨らませるようなガラでもないのに。