【短】キミともう一度
出会ってから4年経った今。
こんなに信じられない思いをはじめて味わってる。
会話したのはたった一度だけなのに。
私たちって、結ばれる運命だったのかな?
なーんて呑気にしてると地獄を後にみると思うので、やめときます。
今は、この幸せを感じていよう。
彼の腕の中はやっぱり優しくて温かい。
私の背中に回す大きな手は、次第に頭に置かれてポンポンされる。
それがくすぐったくて、嬉しくて、視界をボヤけさせた。
涙なんて流したくないのに彼の声を聞くだけで溢れて、それを払ってくれる手に愛おしさを感じる。
一瞬だけ触れた唇に笑みがこぼれて、見つめ合う。
「……もう帰るの?」
「どうしよっかな?」
「このまま泊まる?」
「帰る」
「え、ちょ、嘘だって!」
後を着いてくるキミとこれからどんな未来を歩んでいくのか、今から楽しみにしてるよ。
帰ったら、親友に報告しなきゃね!
質問攻めなんだな~きっと。
fine.