Crystal+Story
「ひっ…」
男3人は黒髪の男の魔力のせいか、体が動けなくなっていた。
「サンキュ…」
オレは黒髪の男に言った。
「礼を言うまでもない。最近目覚めたばかりで体が鈍っているからちょうど良かった」
フッと笑うと、死神の刀を男1人の首もとへ持っていった。
「お前にはこれが必要だろう?」
首につっていた蒼いカケラが出てきた。
「カケラ!?」
プチと糸を切り、カケラをオレに渡す。
「でもなんでオレが…」
「ゲイルも生まれたようだな。オレのはもう少し時間がかかる。また会おう、アル=クラフト」
「ちょっ…!!」
そう言うとフッと姿を消した。
3人の男はお偉いさんに捕まって連れていかれた。騒ぎが気になって集まっていた人もいなくなった。
「なんだったんだ…アイツは?」
オレが立ったままでいると、リオとゲイルが走ってきた。
"キュ"
「ゲイル…リオも無事か?」
リオはこくりと頷く。そしてオレの肩から血がにじんでいるのを見て、悲しそうな顔をする。
「大丈夫。慣れてるから」
オレが笑ってもリオの顔は変わらない。
するとリオはそっとオレの傷口に手を当てて目を閉じた。
ほんのり光ったと思えば、傷が消えていた。
服の傷も消えている。
まるで、時間が戻ったように…