君と。
今は平日の昼間。




この時間は誰もお見舞いに来ない。




ただベッドに座っているだけだと色々なことを考えてしまう。




だから私は気分転換にとベッドを降り、1階にある自動販売機へと向かった。





途中で小さな男の子が後ろからぶつかってきた。




「あっ、大丈夫!?」




咄嗟に謝ると男の子は目をうるうるさせながら小さく頷いた。




鼻をさすっている所を見る限り、私の背中に顔面が直撃したみたい…




私が戸惑っていると男の子の後ろから母親らしき人が早足でこちらに向かってきた。




「ごめんなさい!うちの息子が…」




深々と頭を下げられ、私はさらに戸惑った。




「だ、大丈夫ですから顔あげてください!」




私は急いでそう言うと母親はお礼を言って苦笑した。




「ほら、隼人(はやと)もお姉さんにごめんなさいして」




母親に言われ、男の子…隼人くんも「ごめんなしゃい…」と謝ってくれた。




まだ3歳くらいなのかな?と思いつつ、私は笑顔で隼人くんの頭をなでた。




満面の笑みを返してくれた隼人くんはとっても可愛くてそれだけで心が少し和らいだ。





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