君と。
まぁ、そんなこともありつつやっと自動販売機にたどり着いた。




私はポケットに入れていた財布から160円を取り出し、自動販売機に入れた。





…つもりだった。





直前で小銭は私の手をすり抜け、地面に落ちて転がっていった。




手が麻痺したように動かない。




体中から嫌な汗が吹き出た。





“あなたの体は徐々に動かなくなっていくでしょう。手足はもちろん……最後には心臓も”




1週間前に聞いた医師の言葉が頭の中でこだまする。




今まで周りで聞こえていた人の声も今の私には届かなかった。




自分が病気なのだと改めて実感させられた。




今まではなんか関節が曲げにくいなっていうくらいだったのに…




「あはは…」




なんか笑えてきた。





これが私の…





病気なんだ。







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