ボクはキミの流星群
「おばあちゃん?」

おばあちゃんはトイレの中に閉じこもってしまって、全く出てこようとしなかった。

「大丈夫だから、学校行ってきて。いってらっしゃい」

急に体調でも崩したのか、と勝手に解釈して学校のバッグを肩にかけた。

お父さんとお母さんの話、聞けなかったな……

また帰ってきてからゆっくり話を聞こう。

「セイヤ」

玄関にいるピロは小さくそう呟いてわたしに手招きをした。

ピロの肌はいつもの臓器丸出し状態に戻っている。

呼ばれた通りに向かって行くと、ピロは玄関に置いてある古臭いバッグを指さした。

これが欲しいのかな?別に問題はない。

「あげる」

わたしはそういってピロに渡した。

このバッグはわたしが幼い頃使っていたバッグで、なぜかものすごく汚れていて、穴もたくさん空いていた。その穴はおばあちゃんが縫ってくれたけど。

そして、わたしは玄関の端の方に大きなダンボールが置かれていることに気がついた。

こっそり開けてみると、中には大量のニンジンがゴロゴロと入っているのが目に入った。

わたしは、おばあちゃんは無防備だなぁと思いながら、二本探りだしてピロにあげたバッグの中に入れてあげた。

ピロの全身を眺めてみると、とても違和感を覚える場所があった。

「これもあげる」

ピロには髪の毛が生えていなくて、脳みそ丸見え状態だったのだ。

これはさすがに大変だと思い、あまり使っていないニット帽をプレゼントした。

さっそく被らせてみると、少し違和感があるのか頭をブルブルと震わせていた。最初はそんなものだよね。

「行こうか」
「ウン」

わたしはピロの手をギュッと握ってドアノブに手をかけた。

「いってきまーす!」

閉じこもっているおばあちゃんに聞こえるように、さっきみたいに大きな声で言ってから家を出た。
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