ボクはキミの流星群
「帰ろっか」

少し気になっていたカラフルなキャンディーを買ってから、わたしたちは店を出た。

逸れないようにと手を繋いで電車に乗った。

「昨日はどこに行ってたの?」

楽しそうに窓の外を眺めていたピロに尋ねてみた。

「ダガシヤ」

なるほど、駄菓子屋か。だから昨日は子供みたいな言葉を新たに発していたのか。

駄菓子屋は、通りの一番初めに見える店で、いつも子供たちで賑わいを見せている。

そこに行ったというわけか。

「お腹空いたな」

そういやまだお昼ご飯を食べていない。

学校がお昼に終わったので、なんとなくお弁当もないのにそのまま寄り道をしてしまった。そりゃあお腹が空くよね。

「アゲル」

そう言ってピロが差し出してきたのは、今朝バッグに入れてあげたニンジンだった。

かわいい……それに優しい。

なんていい子なんだと感動しながらそれをピロに返した。

「これはピロの。わたしのじゃないよ」

そう言うと、ピロはニッコリ笑って頷いた。
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