ボクはキミの流星群
「じゃあ行ってくるね」
「遅くならないようにね」

さっきまで顔を出していた太陽は沈みかけていて、辺りは少しずつ暗くなり始めていた。

わたしがこれから向かうのは、毎晩行っている公園の展望台。

正確に言えば、その展望台の更に高いところにある裏山だけど。

小さい頃から星が大好きなわたしは、昔買ってもらった望遠鏡で毎晩星空を眺めていた。

その望遠鏡は誰がくれたのか……それは未だにわからないけれど。

裏山まではそんなに遠くなくて、歩いて行ける距離だった。

登下校の道とは全く外れているけど、この道も歩き続けているから、たぶん目を瞑ってでも歩ける。
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