ボクはキミの流星群
家族はいつもひとつ
気がつけば豆腐屋さんの辺りまで走ってきていた。

警報が出ているため、誰も外には出ていない。これが孤独と言うのか。

傘も何も持たずに出てきたため、わたしの体にはただ大雨が打ち付けられる。ものすごく痛い。

さすがに寒いので、息を整えながら近くの公園にある屋根付きのすべり台に潜り込んだ。

そういえば一度もお墓参りに行ったことがない。

もしかして遺体が見つかっていない?それならわたしが見つけなきゃ。

わたしはびしょ濡れの体のまますべり台を滑って、向かう場所も決まっていないのに歩き出した。

「お嬢さん!外にいたら危ないですよ!」

その声はトラックに乗っていた佐々木さんの声だった。

そんなの知らない。危ないとかどうでもいい。

「ほっといてください!」
「待って!」

わたしの考えを、誰にも邪魔されたくなかった。

だから行くあてもなく、全力で走った。

大雨に負けないように、力強く走った。

拳をギュッと固く握りしめて、足を痛いくらいに地面を蹴り飛ばす。

もう誰にも邪魔されたくない。わたしはわたしだけの道を歩みたくて、自立したくて。

真実がわからないのなら、わたしが見つける。

秘密があるのなら、わたしが暴いてみせる。

全て自分の力で……

お父さんとお母さんのことも、絶対に見つけてあげる。写真だってどこかに残っているはず。思い出もどこかに刻まれているはず。

「危ない!」

走っているうちに、見覚えのない通りまで来ていた。

その角から出てきた自転車が、わたしにぶつかってきたのだ。

「痛い!」

とても痛い。心が体が。

「松乃……!」

わたし自身はもう限界に達していた。
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