ボクはキミの流星群
「お父さん……お母さん……」

堪えていた何かがわたしの中で爆発してしまった。

わたしはその場でただただ泣き叫んだ。

「セイヤ!生きてたんだ!」

お父さんとお母さんは、二人して強くわたしを抱きしめてくれた。

誰かに抱きしめられたのは久しぶりで、その感覚がわたしに新しいことを教えてくれる。

これが本当の温かさで、これが本当の愛なんだと。

わたしが十四年間味わうことのなかった愛情を、今ここで確認できた。

でも、今の気持ちを一言で表すなんてとても無理。

色んな気持ちが一度にこみ上げてきて、流している涙の意味もわからない。

再会できた喜びなのか、わたしのそばから離れたことに対しての怒りなのか。

だけど、

「ずっと会いたかった」

それだけはわかった。

「星夜、家に帰ろう」

お父さんは優しく笑ってそう言った。

たった一言だったけど、その言葉が嬉しくて流れる涙は止まることはなかった。

「よかった。めでたしだな」

そう言ったのは菊池で、なぜか菊池までもが涙を流していた。

「菊池さん!」

お父さんとお母さんは菊池家がいることにも気がついて、とても安心したような様子だ。

「これからは昔と同じだね」

そう、これからは毎日本物の愛情と共に過ごすことができる。もう偽りの愛情とはお別れなんだ。

そんな変わらぬ日常が実は一番幸せなことで、それ以上の幸せは存在しないんじゃないかってわたしは思う。

だからそれだけでじゅうぶん。

だってそれがいちばんの幸せだから。
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