ボクはキミの流星群
頂上からは、街灯に照らされた町全体が見下ろせる。

夜空には、星がポツポツと現れ始めた。

この裏山には、いつからかは忘れたけど、ずっと行き続けている。

それに、誰かと誰かを想って、この景色を一緒に見ていたような記憶も少し残っている。

だけど、何が本当で何が嘘かもわからないこの世界で、自分の記憶なんて信用することができなかった。

だからいつもひとりで、誰からもらったかもわからない望遠鏡を持って、いつも綺麗に輝く星を眺めていたんだ。

夏の星は美しい。

ぐるりと一周回ってみて、一つ一つの星をじっくりと観察してみる。

「え……」

すると、さっきまで星と月しかなかった星空に、突然見慣れない光が現れた。

その光は眩しいほどに輝きを放っていて、なぜかこちに向かって近づいてきている。

もしかしたら、UFOというやつかもしれない。

わたしはとにかく怖くて、何をしたらいいかわからずに、ただその場で体を伏せていた。
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