ボクはキミの流星群
いつまでも一緒にいよう
「ただいま」

抱えていた大荷物をドンと玄関に下ろすと、体が一気に解放感に襲われた。

車の中でお父さんは特に話しかけてくることはなく、家に着くまでずっと沈黙が続いた。

だけどその沈黙は決して悪いものではなく、お父さんの優しさから生まれたものなんだ。

「おかえりなさい」

リビングからお母さんが駆け寄ってきて、荷物を受け取ってからわたしの顔色を伺った。

「大丈夫だよ。言いたいこともちゃんと言えたし、後悔はないよ」

お母さんの思っていることがわかったから、わたしは微笑みながらそう言い、残りの荷物をもう一度抱えた。

「よかった」

お母さんは胸をなでおろし、荷物をわたしの部屋へと運んで行く。わたしも続いて運んで行った。

「ついてきて」

そして小さな声で透明になっているピロに呼びかけ、階段をゆっくり上って行った。
< 52 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop