PLAYTHING!!
「ほら」


「えっ?」


面倒くさそうに頷いた理緒くんが、わたしに何やら差し出してきた。



薄ピンクの紙に包まれた小さな四角……。



それをおずおずと受け取り、中身を開けてみる。



「ピンだ……」



そこに入っていたのは、蝶がモチーフのアンティーク調のヘアピン。



「それ買うついでに、妹の買い物に付き合ってただけ」



その言い方だと、



このピンを買うのがメインだったってことになるよ……?



そんな風に思ったら、急に胸の辺りに何かがこみ上げてきた……。



「色気の無いピンばっかりつけてるから」



目の前で、わたしを見下ろしてた理緒くんが髪に触れた。



前髪を留めていた茶色のアメピンを外して、



わたしの手から取り上げた蝶のピンをそっと留めてくれる。




「似合うな。蛾のピン」



こう言って笑う顔は、



さっきよりも柔らかくて、



何か、




くすぐったかった……。
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