PLAYTHING!!
「ヒドい顔……。伊崎とケンカでもした?」



突然告げられた別れに頭は追い付いていない。



それでも、いつもと同じ朝が来る。



朝が来たから学校に来たものの、香乃子の第一声にわたしは足を止めた。



二人の居る一歩手前で歩みを止めたわたしを、香乃子と美那ちんが心配そうに見つめてる。



「ううん……別れた」


「えっ?」

「はぁっ!? 別れっ、んぐ!!」



大声は勘弁して……。


わたしはとっさに美那ちんの口を両手で塞いだ。



「別れたの?」

「なんでっ!?」



立ち上がった二人が問いかけながらわたしに詰め寄ってくる。



こんな反応かなぁって想像はついてた。



「飽きたんだって。お子様の相手」



鼻声で答えるわたしに、香乃子も美那ちんも怪訝そうに顔を見合わせている。



「だから、別れよって……」



サラッと笑いながら答えて、話題切り替えて……なんて思ってたけど、無理みたい……。



唇が小さく震えてる。


目の奥もこみ上げるように熱い……。



「朱羽っ……」



優しく背中を撫でてくれる美那ちん。




堪えようとすればするほど、涙は溢れた。
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