PLAYTHING!!
案の定、



放課後まで保健室のベッドを占領していた俺の元に、



「なんで朱羽をフッたアンタの方が落ち込んでんのよ」



傍のイスにどっかり腰を下ろした佐藤が現れた。



「……何しに来たんだよ」


「冷やかし」



サラッと言ってくれるな……この女。



深いため息を零す俺に構わず、



「よくもアンタ、うちの朱羽を散々引っ張り回してくれたわね」



更に更に言葉を続けていくこの女は眉一つ動かさない。



「……」


もちろん、返す言葉なんか俺は持っていなかった。


否定もしない。



黙り込んだ俺に、佐藤もしばらく何も言わなかった。





「……なんでホントのこと言わなかったの?」



少し続いた沈黙の後、再び佐藤の口が開いた。



「中学のときから好きだったって……」


言いたかったけど言えなかった俺の気持ち。




俺はずっと、



代田 朱羽に、



片想いをしていた。

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