PLAYTHING!!
「何がいけなかったんだろ……」


「えっ?」



しばらく、頭を撫でて貰いながら泣いたらちょっとスッキリした。



スッキリついでに漏らした声に、村田くんは怪訝そうに首を傾げている。



「メイクはナチュラル。お弁当は薄味……怖い映画も一緒に観たし、勉強だって……」



完全に愚痴だよね……これじゃあ……。


わかってるけど、止められない。



だって……、こうやって話してる間は理緒くんのこと考えてられるから……。



「それ……理緒が言ったの? やれって」



「うん……。まるで姑みたいにチェックされて直された」



わたしの話を相槌を打ちながら聞いてくれていた村田くんが、気付けば隣で眉をひそめてる。


「……ったく。アイツは器用なんだか不器用なんだかわかんないなぁ……」


こう言って小さく呟いて、しばらく黙り込んだ後、




「朱ちゃん」



わたしの名前を呼んで、



「大丈夫だよ」



にっこり笑って見せた。



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