PLAYTHING!!
「なんで朱羽がアンタに貰ったピンを別れた今もつけてるかわかる?」



「……たまたま」



今日もつけてきたんだな。あのピン。



思いがけない事実に、胸の辺りがほのかに温くなる。



その反面、なんで未だにつけてんのかがわからない……。



わかるけど、



それはやっぱり俺の自惚れ。


自惚れを言葉に出すなんて口が裂けても出来ない……。



「本気で言ってるならぶん殴る。次は顔」



こう言って佐藤が再び握り拳を胸元に作った。



……やりかねないな。この女。



「朱羽があのピンを気に入ってる理由はアンタ。アンタに貰ったピンだから気に入ってるの。わかる? 朱羽はアンタが……」




「佐藤さん。それ以上は言っちゃダメだよ」



音も立てずに現れた人影に、俺も佐藤も驚いたようにそちらに目を向けた。




真っ白いカーテンの陰から現れたのは、



軽く微笑んだ圭吾と、


目を赤くしたアイツだった。
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