PLAYTHING!!
「あ……れっ?」


キスされてしまう!


なんて思って身構えたわたしは、鼻先に当たった柔らかい感触で目を開いた。



「期待したろ? 残念だったな」


慌てて鼻先を押さえるわたしの前に、理緒くんがいつの間にか抜き取ったヘアピンをちらつかせた。


「それっ」


反射的にヘアピンに手を伸ばそうとしたら、そのまま理緒くんに手を捕まれてしまった。



「……なんでつけてんの? 別れたのに」


窺うような視線でわたしを見つめ、試すように問いかけくる。



「……理緒くんがくれたから……」


「だから?」


「だからっ……わたしは理緒くんがっ」



好きって続けようとしたところで止められてしまった。



離れた唇から、理緒くんがゆっくりと言葉を紡いでいく。



「先に言うな。俺の方がずっと好きだったんだ」



理緒くんの言葉で、


わたしは自分がずっと想われていたことを実感させられる。




「……わたしも、好き」



震える声をぐっと堪えて、声を絞り出す。



それを聞いた理緒くんは、


柔らかく笑って、


もう一回わたしを抱き締めた。
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