moon~満ちる日舞う少女~【中】
『さて、喧嘩合戦スターーートです!!!!』
喧嘩?…そう、喧嘩だね。…じゃあ、殴ってもいいんだね。
ボコボコにしてもいいよね。…もう二度と向かってこれないように、再起不能にさせちゃって…いいよね。
美「ふふっ…」
私は向かってくる男達をみて殴りかかろうとした。
ーガツっっ!!ー
南「間に合ったァ!」
美「南っ…」
南はあっという間に周りの男達を蹴散らした。
南「大丈夫か?!!」
南は私の両手を掴みしゃがんで、まるで子供相手にするみたいに聞いてきた。
美「…大丈夫…だよ?」
南「…美月、奈津から伝言や。………」
……な、なんで。どうしてわかるの?…どうしてはっきりとそんなことが言えるの?…
美「奈津のバカ…」
『今日は東高の2年、大鳥美月が友達と体育祭を楽しむ日だろ?…他のことは忘れろ』
奈津は、わかってたんだ。…多分、私の様子を見て、"あのこと"を思い出したんだって。
私は拳を上に挙げた。