moon~満ちる日舞う少女~【中】
〜美月side〜
まさか、そんなこと言われるなんて。
月龍の弱さ。…私だけじゃなく、瀬尾も気づいたの?…トップファイブという影に隠れた弱点…
美「瀬尾、もし…瀬尾が大切な仲間と一緒に歩いていたとして、こっちの何10倍の力を持った何10倍の人数の敵がやって来たら、瀬尾はどうする?…仲間はやられていく。…自分も戦ってる。…瀬尾なら?」
瀬「低レベルな質問ですね。……仲間を連れて逃げますよ。負け犬だとか、そんな事言われても、
俺は絶対そうします」
美「どうして?」
瀬「俺はあなたみたいに強くない。……俺は弱いですから」
南「ぶははははは!!!!」
美「…びっくりするんだけど」
南「いやぁ!…面白い奴やなぁって!…瀬尾って言ったな、それ、正解や!」
瀬「正解?」
美「…確かに、引いちゃ行けない時もある。仲間がやられていく中で戦わなくちゃ行けない時もある。…けど、引く勇気も大切。……夜舞のみんなはそれをわかってる」
瀬「引く勇気…」