moon~満ちる日舞う少女~【中】
美「でも、本当に信じられる仲間以外はいらないな」
瀬「美月ちゃん……あ、…さんのほうがいいですか?」
瀬戸が何かを言いかけて、突然言い出した。
美「いや、ちゃんでもなんでもいいよ」
私は少し天然っぽい瀬尾を笑ってから、そう告げた。
瀬「そうですか。じゃあ美月ちゃんで!」
美「それと、敬語はいらないから、タメ口でいいよ」
瀬「え?!夜舞の人はみんなそうなんですか?!」
南「まぁ、美月はいいっていってんのやけど。みんな「敬語で!!」って焦ったように言うからもうなんでもええかって(笑)」
美「そ。…だから瀬尾は敬語いらないよ。っていうか、同じ学校、同じ学年で敬語って変じゃん?だからね」
瀬「うん。わかった」
美「あと、知ってると思うけど、私が舞月だってことは内緒だからね」
瀬「うん!」
そして私はそろそろ場所を移動しようと切り出した時、ある声がした。
総「いやぁ、よかったじゃねぇーか。瀬尾」
瀬「総さん!」
総「俺のおかげで夜舞の…ぐふっ!!」
瀬「美月ちゃん?!!」
私は笑っていた宮野のお腹を殴る。そしたら宮野は数メートル飛ばされて、クルッと回って着地した。
瀬「え、ちょ、南くん!どうなってるの?!」
南「わ、わからへん」
突然目の前に来た担任のしかも昔からの馴染みのある先生を殴ればそりゃぁ混乱するだろう。
総「痛いなぁ。美月ぃ。担任にむかってよぉ」
美「私がきづなかいとでもおもってんの?」
南「え?!」
瀬「どーゆうこと?!!」
美「こいつは宮野じゃない」
南・瀬「「えぇ?!!」」
?「ひっど。ぼくも、"宮野"なんだけどなぁ」
南「どういうことや?!」
美「こいつは…」
辰「どーもぉ、宮野辰でーすっ!」
瀬「宮野?」
美「こいつは、宮野…総の…兄。双子だよ」
瀬「えぇ?!!そんな隠された設定が?!!」
私は驚いてる途中の南と瀬尾を無視して、話を続けた。
美「それにお前の苗字は宮野じゃないはずだ」
辰「よく覚えてたねぇー!…うん、僕は一ノ瀬辰だ」
美「…なんでここにいる」
辰「だってぇ、総のとこの体育祭だよ?!!見ておかないとさっ!」
美「じゃあ、宮野に変装しないで、こればいいんじゃない?」
辰「最初はそのつもりだったんだよー?…なのに、美月がいたんだもーん!!そしたら遊びたくなるっしょ!」
瀬「遊び?」