moon~満ちる日舞う少女~【中】
〜瀬尾side〜
辰「だからぁ、僕も宮野だってぇ」
美「……もう1度聞く。…宮野はどこだ」
ービリッー
殺気?……美月ちゃんからでてる。
舞月の噂は知ってる。俺も憧れてる。けど、その目で見たことがあるわけじゃない。
だから、今すごく驚いている。
俺は学校での舞月(美月)しか見たことがないから。…華麗で、あの修也くんたちと居ても、浮かない存在感。
瀬「うっ……」
この殺気の中立っていられなくて俺は膝をついた。気持ち悪い。…苦しい。…もう楽になりたい。
そういう気持ちになる。
南「美月……」
南君は俺と違って立ってはいるが、きつそうに顔をしかめている。…
だめだ。苦しくて俺は舌を噛みたくなる。楽に…楽になりたい。
辰「くっ……。…3階の…〇〇室だ…」
美「そう…」
美月ちゃんは殺気を放つのを辞めた。
辰「これが…あいつだったら……多分笑って、立っていただろうなぁ…」
あいつ?あいつって、誰のことをいってる?
俺にはわからなかったけど、美月ちゃんにはわかったんだろう。そして、この話は禁句だったと、俺は知った。
南「まずいっ…」
ーシュッー
速すぎて見えなかった。…美月ちゃんが辰って人を殴る。が、辰は読んでいたのか、かろうじて避けた。
これが人間にできる動きなのか?…
辰「ーってぇ……。かすっただけだってのに、流石だなぁ。…っ……。笑っちまうぜ。……あいつはもう笑えないけどな(笑)」
それだけ言うと、辰って人は少し笑ってすぐそばにあった階段から逃げていった。
美「ーっ」
南「まずいなぁ。…瀬尾、美月が借り物競争の時にいた…」
愛「その必要はねぇよ。南」
南「……?」
瀬「理事長!!?」
南「え?!…理事長?…って、じゃああんたが初代?!!」
愛「そうだ。…つーか、お前全校集会とかでねぇから理事長の顔しらねぇんだな。」
南「アハハ。……ところで…」