moon~満ちる日舞う少女~【中】
亮と修也の戦いは、すごいものとなった。
亮はもちろん、修也は先読みした亮の攻撃をうまく避ける。
さすが総長だけあって、身のこなしが他とは違う。…確かに亮の観察眼はすごい。けど修也も負けてはいない。
美「南、どう思う?」
南「ん?」
美「この戦い…」
南「…そーやなぁ……俺は………わからへん!」
だよねぇ。
南「でもなぁ……」
美「ん?」
南「なんか、亮は本気出し取らん気がするんよなぁ」
瀬「まさかっ!あんなに接戦なのに」
美「いや、私も思ってた。…亮はもしかして、時間ギリギリまで伸ばすつもりなんじゃないの?」
愛「だったら面倒だな…」
それは、亮の強さについてだったのか、それとも時間的なことなのかわからなかった。
総「って、こんなあっさり他人事のように見てるわけにも行かねぇ!まけらんねぇんだから修也には勝ってもらわねぇと!!」
美「あー。高光…先生との?」
総「ああ。…」
美「私が戦えれば良かったんだけどね」
総「まあな」
愛「でもそれじゃあ時間内に美月の1人勝ちになっちゃうな」
南「ほんまですね」
美「今の点数の合計はどうなの?」
愛「まぁ普通なら聞くのはダメなんだが、理事長の権限で教えてやろう」
美「え?いいの?……愛斗さんが理事長で良かったよ。ありがとうございます」
そういうと愛斗さんは涙目を輝かながら、抱きつこうとしてきたので、蹴りをいれた。
愛「ぐふっ。……危ねぇ…」
かすっただけだけど。…よけられるってのは分かってたけどさ?たまにはあたれよ。