moon~満ちる日舞う少女~【中】
痛くない…?
目をうっすら開けると男は倒れていて、代わりに立っていたのはー…
美「大丈夫?」
美月だった。…美月は汗を拭きながらドンッと立っていて思わず笑ってしまった。
美「え?!何?!」
…美月は、俺につられて笑った。
臣「助かった」
美「…?!……うん。よかった」
美月は俺が礼を言ったことに少し驚いたあと、俺の元に来てニッと笑った。
臣「ーっ?!美月っ!!」
だけど、さっき倒れたはずの男はそこにいず、代わりに大勢の男がやって来た。
「おーおー!お前をやったの、こいつらかぁ?」
「そうッス。…ギタンギタンにしてください!」
これって相当やばい状況じゃね?…相手大型の男が15人って、女相手に…
とか思っていたのに美月は
美「ギタンギタンとか古っ!」
っていいながら爆笑していた。
ちらっと美月を見ると、髪が赤く、短くなっていて、目が赤と青になっていた。
臣「なっ…っ!おま…っえぇ?!!」
美「言ったじゃん!桂だって!目はカラコン」
臣「あ、あぁ。確かに言ったな…」
美「あと、一応できる限り顔は隠してて。…後から私事で、臣に迷惑かかるの嫌だし」
俺は言われた通り、帽子をかぶって腕でできる限り顔を隠した。
美「それと、その子供。ちゃんと抱きしめててね」
臣「…あぁ。…って!お前が戦うのか?!逃げるべきなんじゃっ」
美「だーって追いかけられるのめんどくさいしー!…この人数なら楽勝だから大丈夫っ!」
は?!