moon~満ちる日舞う少女~【中】
…美月って戦えんのか?族に入ってるって言ってたけど…姫とかじゃなくて?
「お姉ちゃん怪我しちゃうよぉ~」
美「はっ!あんたら相手に怪我なんかするかよっ」
「ッチ!舐めた口聞きやがって!行くぞお前ら!!」
「ウオオオオオオ!」
やっべぇ。これ、男の俺でも怖いってのに…
ーガツッー
ードンッー
ーギシッー
美「あーあーよわっ!…自信満々だからさぁ、もっとやってくれると思ったのにっ。」
「て、てめぇ。…なにもんだっ!!この鬼龍の俺らに…」
美「え?!あんたら族だったの?!しかも鬼龍って!!」
鬼龍といえば、この辺では名の知れた族名だ。…犯罪、薬。警察も手を焼いているという。
美「はぁ、あんたらも族ならわかんでしょ?」
「は?…なにがだよ」
美「あんたらは私にかなわない」
「ーっ」
意地を張ることも出来ないくらいの実力差。
「強すぎだ……人間じゃねぇ…」
美「…ぶっ!人間だしっ。…」
「…あ…ぁ…お前…赤い髪に絶対的な強さ…そしてその赤と青の目…」
…相手が急に怖がり出したのがわかった。
美「んー?気づいてくれた?」
「舞月…」