moon~満ちる日舞う少女~【中】
ーガチャー
母「もう!3人とも遅いわよー」
美「あ、ごめんっ」
香「いろいろあってさぁ」
長「臣は皿だしてくれる?」
臣「あぁ」
…ひとつだけ疑問がある。
ー俺は皿を出しながら考えたー
俺が一緒にあそんでたのは、美月と香月だけじゃなかった気がする。
いや、遊んでいたというか、遊んでくれていた。の方が近い。
顔も名前も、全く記憶にはないのに、俺はその誰かを思い出せない。
「…つ…、……き、……ん。」
愛おしそうに呼ぶその声の主は誰なんだ。
美「臣ー?」
臣「今行くー」
いつか思い出せれば。今俺はそう考えていた。…
それが、後であんなことになるなんて思いもしなかったから。そう、昔あんな事があったなんて、今の俺には思い出せなかったんだ。