moon~満ちる日舞う少女~【中】
ーガチャー
美「ただいま」
母「美月、おかえりなさい」
美「…あれ?香月は?」
母「遅くなるらしいわよ。お友達と一緒にいるって」
美「そっか」
なら修也は倉庫に戻ったんだろう。
母「美月、この前の件だけど」
美「…うん」
母「考え直す気はないの?」
美「…うん」
母「そう…。…お父さんもそうだったわ。自分の思いをまっすぐに実効する人…」
美「…ごめん…」
母「でもね、そこには必ず、大切な人への想いが詰まってたの」
美「大切な人への想い?」
母「ええ。…大切な人を守るためなら自分を犠牲にするような人だった。……美月はお父さん似だから、そんなところも似ちゃったのかしらね」
美「…っ」
母「止めても無駄なのはわかってるわ。…だから好きなようにやりなさい。あなたの人生なんだから。……でもね、お母さんも美月のことを想ってるってことは忘れないでね」
美「…うん。…ありがとうお母さん。……私もね、お母さんのこと大切だって、想ってるよ。…たった1人のお母さんだから」