moon~満ちる日舞う少女~【中】
美「私は別に」
女になりたくてなったんじゃない。
?「美月ー?…って制服来てない!!なんで?!写真撮りたかったのにぃぃ」
美「は?嫌に決まってんじゃん」
そいつは私に向かって文句を垂れる。
…私は今ではそいつの名前も顔も思い出したくはない。だけど、一応名前だけでも言っておこう。…陽一。それが、そいつの名だ。
私たちとの関係は…
?「みーちゃん」
キュッと服の袖を引っ張られたことに気づき、視線をそちらに向ける。こいつは空。…とっても可愛い奴なのだ。
美「どした?」
空「せーふくってなぁに?」
美「きもい男が興奮する服だよ」
陽「きもいってぇぇぇ(泣」
父「それはお父さんもはいってるんだろうか…」
私は2人ににこぉとわらってあげたあと、しゃがみこんで空の頭を撫でた。
美「あんな大人になっちゃだめだからね」
空「うん!僕ね、みーちゃんみたいになる!」
な、なんと可愛いんだ!!私はギューっと抱きしめた後、汚い大人達を睨んで香月に視線を向けた。
美「当然、香月もだから」
香「わかってるよ!」
うむ。香月は大丈夫そうだ。
母「もーそんなところでみんな何やってるの?夕ご飯の支度するから手伝って」