moon~満ちる日舞う少女~【中】





美「私は別に」


女になりたくてなったんじゃない。



?「美月ー?…って制服来てない!!なんで?!写真撮りたかったのにぃぃ」



美「は?嫌に決まってんじゃん」



そいつは私に向かって文句を垂れる。

…私は今ではそいつの名前も顔も思い出したくはない。だけど、一応名前だけでも言っておこう。…陽一。それが、そいつの名だ。

私たちとの関係は…



?「みーちゃん」



キュッと服の袖を引っ張られたことに気づき、視線をそちらに向ける。こいつは空。…とっても可愛い奴なのだ。



美「どした?」



空「せーふくってなぁに?」



美「きもい男が興奮する服だよ」



陽「きもいってぇぇぇ(泣」



父「それはお父さんもはいってるんだろうか…」


私は2人ににこぉとわらってあげたあと、しゃがみこんで空の頭を撫でた。



美「あんな大人になっちゃだめだからね」



空「うん!僕ね、みーちゃんみたいになる!」



な、なんと可愛いんだ!!私はギューっと抱きしめた後、汚い大人達を睨んで香月に視線を向けた。



美「当然、香月もだから」



香「わかってるよ!」



うむ。香月は大丈夫そうだ。



母「もーそんなところでみんな何やってるの?夕ご飯の支度するから手伝って」







< 212 / 292 >

この作品をシェア

pagetop