moon~満ちる日舞う少女~【中】
美「あ、あの。無理して言わなくても…」
愛「俺の憧れる人は、舞月だ」
美「え?」
愛「お前が舞月になった時から、俺の憧れはずっと舞月だ」
美「ちょ、嘘言わないでくださいよ」
愛「嘘じゃねぇよ。…俺の代で出来なかったトップをとった総長。強くて優しい仲間思いの総長」
美「やめて…くださいよぉ……。愛斗さんに…そんな事言われたら………嬉しすぎて、、」
私はさっき拭ったはずの涙をまた流すハメになった。
愛「ははっ!」
美「ありがとうございます………初代…」
愛「ああ。これからもお前がお前らしい夜舞を作ればいい。なにかあれば必ず手を貸してやる。だから美月、夜舞を頼むな」
今初めて、愛斗さん…初代総長から総長を渡された気がした。
そうだ。私だけの夜舞じゃない。たくさんの人たちがつくりあげてくださった夜舞。…今度は私の番。
美「私、舞月であることが誇りにおもいます」
愛「そうか」
私は「はい!」っととびきりの笑顔で笑って理事長室を出た。