moon~満ちる日舞う少女~【中】
辰「ゲームってのはなぁ、それなりに有利な戦い方をするもんだ」
美「…どうするつもりだっ」
辰「爆弾の解除方法は、これだ」
辰が持っているリモコン…。
辰「このリモコンに正しい番号を入力すればとまるようになってる。…」
美「間違った番号を入れた場合は」
辰「どかーん。」
美「…どうしたら解除してくれるんだ」
辰「簡単なことさ、僕を逃せばいい」
辰はそういいながら私にリモコンを投げてきた。
美「逃がして番号を言うのか?」
辰「あぁ」
美「信用できねぇよ」
辰「もしお前が僕を倒したところで、僕は番号をはかねぇよ?仕掛け人がゲームを台無しにしちゃぁ面白くねぇからな」
私が辰を倒せばー。そう考えたが、辰の言葉でその考えは捨てた。…おそらく、辰の言う通り何も吐かないだろう。
……だったらどうすればいい。辰を逃がすか?…でも本当に番号をいう保証がない。
美「ーっ」
辰「そうだ、お前はバカじゃない。…今、選択肢はひとつしかない」
美「…逃がしてやる…っ。…だから番号を教えろっ」
今ここを爆破させたら来龍の負傷者どころか、奈津や世羅まで巻き込んでしまう…。
辰「…ふはは…、さすがだ。…確かお前、美月と言ったな…夜舞の夏目美月…覚えておこう」
美「番号を言え」
辰「せっかちなやつだなぁ〜。…番号はお前の仲間にでも知らといてやるよ。お前は必ず、その場から動くな」
美「わかった」
辰「じゃ、また会おう。今度は最高に面白いゲームを用意して、な」
辰はそれだけ言って走って階段を降りていった。
それから5分、奈津が駆け上がってきた。
奈「美月っ!」
美「奈津、番号は?!!」
奈「番号、あぁ。あいつに言われたやつだな。…1.4.8.8.6.3.3。」
私は言われたとおりリモコンに打った。…そしたらリモコンに"機能停止"の四文字が出たのでほっとした。